と言うわけで、『蟲師』の映画を見て参りました。
地上波のTVで「特別編」として放映された「棘のみち」と、TVでは放映されなかった、コミック版で最終話となる「鈴の雫」の2本立てでした。
どちらもクオリティの高さと原作の作品世界をまったく壊すことが無かったTV版スタッフの作成ということで、とても良かったと思いました。ただ、コミック版かTV放映分を全て見てないと、詳細な部分で「説明不足」だった面があるのは、少し残念ではありますが、見ていなくても、作品の世界観は良く分かる内容だったと思います。
この作品は、前にも書いたかもしれませんが、タイトルから連想される「蟲の謎の探求」が主題でも、「虫との戦い」が主題でも無く、好むと好まざるとにもにかかわらず、あくまで「蟲」と関係を持ってしまったが故に巻き起こる「人間ドラマ」が主題だと思います。
蟲に代表される<世界>と、人が作りし<社会>の軋轢にどう落としどころをつけるのか苦闘する主人公が語り部の物語、と言い換えても良いかもしれません。
「世の理」、つまり<世界>と<社会>の軋みを、一身を犠牲にしてその体に取り込んだ先祖を持つ女、軋みを敵視し、そのために手段を選ばない男、そして人間でありながら<世界>の意思を引き受けつつも、結局は<社会>に未練を残す故に「命を溶かす」ところにまで追い詰められた少女。
まだ『蟲師』を見たこと無い方には、超お勧めの作品でした。
